薄毛

子供にも起こる?円形脱毛症の可能性

小学生のお子さんの頭部に、ある日突然、コインのような形(円形または楕円形)で髪の毛が抜けている部分を見つけたら、それは「円形脱毛症」の可能性があります。円形脱毛症は、大人だけでなく、子供にも比較的よく見られる脱毛症です。円形脱毛症は、自己免疫疾患の一つと考えられています。何らかの原因で免疫システムに異常が生じ、自分自身の毛根組織を誤って攻撃してしまうことで、毛根に炎症が起こり、髪の毛が突然抜け落ちてしまう病気です。なぜ免疫異常が起こるのか、その明確な原因はまだ完全には分かっていませんが、精神的なストレス、肉体的な疲労、感染症、アトピー素因(アレルギー体質)などが、発症の引き金や悪化要因として関与している可能性が指摘されています。子供の場合、環境の変化(入学、転校、クラス替えなど)や、友人関係、学業、習い事などのストレスが影響していることもあります。円形脱毛症の症状は、10円玉程度の大きさの脱毛斑が一つだけできる軽症のものから、複数個所にできたり、脱毛斑が大きくなったり、時には頭全体の髪が抜ける(全頭型)や、眉毛やまつ毛、体毛まで抜ける(汎発型)といった重症なケースまで様々です。脱毛斑の表面は、通常、赤みや炎症などはなく、つるっとしています。脱毛斑の周りの毛を軽く引っ張ると簡単に抜ける場合は、まだ症状が進行中である可能性があります。もし、お子さんの頭に円形脱毛症と思われる症状を見つけたら、自己判断せずに、必ず「皮膚科」を受診してください。医師が診察し、診断を確定します。治療法は、症状の範囲や重症度、年齢などによって異なりますが、子供の場合は、まずステロイド外用薬(塗り薬)や、抗アレルギー薬の内服などが選択されることが多いです。重症の場合には、紫外線療法などが検討されることもあります。円形脱毛症は、自然に治ることも多い病気ですが、再発したり、長引いたりすることもあります。早期に適切な治療を開始し、医師の指示に従って根気強く治療を続けることが大切です。また、原因としてストレスが考えられる場合は、そのケアも重要になります。