AGA（男性型脱毛症）に悩む年代は、同時にED（勃起不全）の悩みも抱えやすい年代と重なることがあります。そのため、AGA治療薬であるミノキシジルと、ED治療薬（バイアグラ、シアリス、レビトラなど）を併用したいと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この組み合わせには注意が必要です。特に「ミノキシジル内服薬（飲み薬）」とED治療薬の併用は、「非常に危険」であり、原則として避けるべきです。その理由は、どちらの薬剤も「血管拡張作用」を持ち、血圧を下げる効果があるためです。ミノキシジル内服薬は強力な降圧作用を持ち、ED治療薬も血管を拡張させて血流を改善することで効果を発揮しますが、同時に血圧を下げる作用があります。この二つを併用すると、相乗効果によって血圧が急激かつ過度に低下し、めまい、失神、場合によっては心臓への負担増加など、重篤な健康被害を引き起こすリスクが極めて高くなります。狭心症治療薬である硝酸薬とED治療薬の併用が禁忌とされているのと同様の理由です。絶対に自己判断で併用しないでください。では、「ミノキシジル外用薬（塗り薬）」とED治療薬の併用はどうでしょうか。外用薬の場合、ミノキシジルの全身への吸収は少ないため、内服薬ほどの強い血圧降下作用は通常ありません。そのため、外用薬とED治療薬の併用が直ちに禁止されているわけではありません。しかし、外用薬であっても、わずかながら全身に吸収され、血圧に影響を与える可能性はゼロではありません。特に、ED治療薬を服用すると一時的に血圧が下がることがあるため、そこにミノキシジル外用薬の影響が加わることで、予期せぬ血圧低下を招くリスクも否定できません。安全性に関する十分なデータもまだ少ないのが現状です。したがって、ミノキシジル外用薬を使用している方がED治療薬を使用する場合、あるいはその逆の場合も、必ず事前に医師に相談することが強く推奨されます。医師は、あなたの健康状態や他に服用している薬などを考慮し、併用の可否や注意点について判断してくれます。自己判断での安易な併用は避け、安全を最優先するようにしましょう。
ED治療薬とミノキシジル、危険な組み合わせ？
