「はげ」に悩む方にとって、治療薬は大きな希望ですが、一方で「薬」と聞くと、副作用が心配になる方も多いでしょう。特にAGA治療薬は長期間使用することが多いため、安全性について正しく理解しておくことは非常に重要です。AGA治療で主に使われる内服薬「フィナステリド」「デュタステリド」と、外用薬「ミノキシジル」について、報告されている主な副作用のリスクを見ていきましょう。まず、内服薬のフィナステリドとデュタステリドです。これらの薬で最も懸念される副作用は、「性機能に関するもの」です。具体的には、性欲減退、勃起機能不全（ED）、射精障害、精液量減少などが報告されています。ただし、これらの副作用の発現頻度は、臨床試験のデータでは数パーセント程度と、決して高いものではありません。多くの場合、症状は軽微であり、薬の服用を中止すれば改善するとされていますが、ごく稀に服用中止後も症状が続く可能性（ポストフィナステリド症候群など）も指摘されています。また、「肝機能障害」のリスクもあります。これらの薬は肝臓で代謝されるため、定期的な血液検査で肝機能を確認することが推奨されます。その他、稀な副作用として、抑うつ気分、乳房の圧痛や腫れ、めまいなどが報告されています。次に、外用薬のミノキシジルです。塗り薬であるため、全身性の副作用のリスクは内服薬に比べて低いとされています。最も一般的な副作用は、塗布した部分の「皮膚症状」です。かゆみ、赤み、発疹、フケ、かぶれ、乾燥などが起こることがあります。また、使用開始初期に一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が見られることもあります。まれに、頭痛、めまい、動悸、むくみといった全身性の副作用が現れる可能性もゼロではありません。特に心臓や血圧に問題がある方は注意が必要です。これらの副作用は、必ずすべての人に起こるわけではありませんし、頻度も低いものが多いです。しかし、医薬品である以上、リスクは存在します。治療を開始する前には、必ず医師から副作用について十分な説明を受け、理解しておくことが大切です。そして、治療中に何か異変を感じた場合は、自己判断せずに速やかに医師に相談しましょう。
薬は怖い？副作用のリスクを知る
