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ストレスが抜け毛を増やす理由
日々の生活で避けて通れないストレスですが、実はこのストレスが抜け毛を増やす大きな原因の一つとなり得ることが知られています。精神的なストレスだけでなく、肉体的な疲労や睡眠不足も体にとってはストレスとなります。では、ストレスはどのように髪に影響を与えるのでしょうか。最もよく知られているのは、ストレスが自律神経のバランスを乱し、血行を悪化させることです。髪の毛は、毛根にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで成長しますが、この毛母細胞に栄養や酸素を運んでいるのは血液です。ストレスによって血管が収縮し、頭皮の血行が悪くなると、毛母細胞に必要な栄養や酸素が十分に届かなくなり、髪の成長が妨げられます。これにより、健康な髪が育ちにくくなったり、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりします。また、過度なストレスはホルモンバランスを乱す可能性があります。特に、ストレス反応として分泌されるコルチゾールというホルモンが慢性的に高い状態が続くと、ヘアサイクルに悪影響を及ぼすことが指摘されています。ヘアサイクルが乱れると、髪が十分に成長しないまま退行期や休止期に入ってしまい、抜け毛が増えることに繋がります。さらに、ストレスは無意識のうちに頭皮を掻いてしまったり、髪を引っ張ってしまったりといった行動を引き起こすこともあり、これが物理的に頭皮や毛根にダメージを与え、抜け毛の原因となる場合もあります。円形脱毛症も、ストレスが発症や悪化の一因となる自己免疫疾患と考えられています。もちろん、一時的な軽いストレスがすぐに抜け毛に繋がるわけではありませんが、慢性的なストレスや突発的な強い精神的ショックは、ヘアサイクルを乱し、数週間から数ヶ月後に遅れて抜け毛として現れることがあります。抜け毛予防のためには、ストレスをゼロにすることは難しいとしても、ストレスを溜め込まないこと、そして上手に発散することが非常に重要です。ウォーキングや軽いジョギングなどの運動、趣味に没頭する時間、十分な睡眠、友人や家族との会話、瞑想や深呼吸など、自分に合ったストレス解消法を見つけて、積極的にリラックスする時間を作りましょう。