セルフケアで生活習慣を見直しても、抜け毛や薄毛が改善しない、あるいは更年期症状など、ホルモンバランスの乱れを示す他の症状（のぼせ、ほてり、イライラ、気分の落ち込み、生理不順など）も見られる場合は、医療機関に相談することを検討しましょう。ホルモンバランスの乱れが原因である場合、専門的な治療が必要となることがあります。まず相談先として考えられるのは、「婦人科」です。婦人科医は、女性ホルモンに関する専門家であり、問診や血液検査などを通じて、ホルモンバランスの状態を評価してくれます。もし、更年期障害などによるエストロゲンの減少が薄毛に大きく影響していると判断された場合、「ホルモン補充療法（HRT）」が選択肢の一つとなることがあります。HRTは、不足しているエストロゲンを薬剤で補う治療法で、薄毛だけでなく、更年期の様々な不快な症状を緩和する効果も期待できます。ただし、HRTには血栓症などのリスクもあるため、適応となるかどうかは、医師が個々の健康状態やリスクを慎重に評価した上で判断します。また、薄毛の症状が主である場合は、「皮膚科」や「女性の薄毛治療専門クリニック」への相談も有効です。これらの医療機関では、頭皮や毛髪の状態を詳しく診察し、FAGA（女性男性型脱毛症）の可能性や、他の皮膚疾患、甲状腺疾患などの隠れた原因がないかを調べます。もしFAGAと診断された場合は、ミノキシジル外用薬などの治療が提案されます。甲状腺機能の異常などが疑われる場合は、内科など他の診療科への紹介が必要となることもあります。医療機関を受診する際には、いつからどのような症状があるのか、月経周期との関連、他に気になる症状はないか、服用中の薬やサプリメントはあるか、などを具体的に伝えられるように準備しておくと、診察がスムーズに進みます。ホルモンバランスの乱れは、髪だけでなく全身の健康に関わる問題です。自己判断せずに、専門家の助けを借りて、適切な対処法を見つけることが重要です。
ホルモンバランスの乱れ、医療機関での相談
