薄毛

ミノキシジル内服薬と飲み合わせ、より注意深く

ミノキシジルには、経口摂取する内服薬(飲み薬・タブレット、通称ミノタブ)も存在します。これは、元々が高血圧治療薬として開発されたものであり、発毛効果は副作用として見出されたものです。内服薬は、有効成分が血流に乗って全身に行き渡るため、外用薬よりも高い発毛効果が期待される一方で、「飲み合わせ(薬物相互作用)」や「副作用」のリスクも格段に高くなります。まず、最も注意が必要なのが、「血圧に影響を与える薬」との併用です。ミノキシジル自体が強力な血管拡張作用を持ち、血圧を下げる効果があります。そのため、他の「降圧剤」と併用すると、血圧が過度に下がりすぎてしまい、重度の低血圧、めまい、失神などを引き起こす危険性があります。降圧剤を服用中の方は、原則としてミノキシジル内服薬の服用は避けるべきです。また、血管拡張作用を持つ「ED治療薬(バイアグラなど)」や、一部の「狭心症治療薬(硝酸薬など)」との併用も、血圧低下のリスクを高めるため、非常に危険です。これらの薬との併用は禁忌(絶対に併用してはいけない)とされることもあります。さらに、ミノキシジルは肝臓で代謝されるため、「肝臓の薬物代謝に影響を与える薬」との併用にも注意が必要です。例えば、一部の抗真菌薬や抗生物質などが、ミノキシジルの代謝を遅らせ、血中濃度を高めて副作用のリスクを増大させる可能性があります。逆に、ミノキシジルが他の薬の代謝に影響を与える可能性も考えられます。重要なこととして、ミノキシジル内服薬は、日本ではAGA(男性型脱毛症)治療薬としては「未承認」であるという点です。医師の判断と責任のもとで処方されることはありますが、その有効性や安全性、他の薬との相互作用に関する公的なデータは十分ではありません。安易な自己判断での服用や、個人輸入による入手は絶対に避けるべきです。もしミノキシジル内服薬の服用を検討する場合は、必ず専門医に相談し、現在服用中の全ての薬を伝え、リスクとベネフィットを十分に理解した上で、慎重に判断する必要があります。