AGA(男性型脱毛症)の治療は、基本的に健康保険が適用されない「自由診療」となります。自由診療では、治療内容や薬剤の価格などを各医療機関が自由に設定できるため、同じ治療法であってもクリニックによって費用が異なります。AGA治療を検討する上で、おおよその費用感を把握しておくことは非常に重要です。最も一般的なAGA治療法である「内服薬」の場合、フィナステリドまたはデュタステリドが処方されます。これらの薬は、AGAの原因であるDHTの生成を抑制する効果があります。費用は、先発医薬品かジェネリック医薬品か、処方日数などによって変わりますが、月々にかかる薬代としては、おおよそ5,000円から10,000円程度が相場とされています。ジェネリック医薬品を選択すれば、費用をより抑えることが可能です。次に、「外用薬(塗り薬)」として用いられるのがミノキシジルです。発毛を促進する効果が期待されます。市販薬もありますが、クリニックではより高濃度のものが処方されることがあります。費用は濃度や容量によりますが、月々数千円から15,000円程度が目安です。内服薬と外用薬を併用する場合は、それぞれの費用が必要になります。クリニックによっては、これらの基本的な薬物療法に加えて、「注入療法(メソセラピー)」を提供している場合もあります。これは、成長因子などを頭皮に直接注入する治療法で、1回あたり数万円から十数万円程度の費用がかかることが多く、複数回の施術が必要となるのが一般的です。「低出力レーザー治療」も、補助的な治療として行われることがありますが、これも自由診療です。さらに、薄毛が進行している場合の選択肢として「自毛植毛」がありますが、これは外科手術であり、数十万円から数百万円単位の高額な費用がかかります。これらの治療費に加えて、初診料、再診料、血液検査費用などが別途必要になるクリニックもあります。治療を開始する前には、カウンセリングなどを利用して、治療内容とそれにかかる総額費用、追加費用の有無などを詳細に確認し、納得した上で治療に進むことが大切です。