ノコギリヤシは天然の植物由来成分であり、一般的には比較的安全性の高いサプリメントと考えられていますが、摂取する際にはいくつか注意すべき点があります。副作用のリスクが全くないわけではありませんし、誰でも安全に摂取できるとは限りません。まず、報告されている副作用としては、比較的軽微な「消化器系の症状」が挙げられます。具体的には、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、便秘などです。これらの症状は、摂取量を減らしたり、摂取を中止したりすれば改善することがほとんどです。空腹時に摂取すると胃腸への刺激が強くなることがあるため、食後に摂取するなどの工夫も有効かもしれません。また、まれに「頭痛」や「めまい」といった症状が報告されることもあります。アレルギー反応の可能性もゼロではありません。ノコギリヤシに対してアレルギーがある場合は、発疹やかゆみなどの症状が現れる可能性があります。初めて摂取する場合は、少量から試してみるのが良いでしょう。特に注意が必要なのが、「他の薬との相互作用」です。ノコギリヤシには、血液を固まりにくくする作用(抗血小板作用)がある可能性が指摘されています。そのため、血液凝固阻止薬(ワルファリンなど)や抗血小板薬(アスピリンなど)を服用している方は、出血のリスクが高まる可能性があるため、併用する前に必ず医師に相談してください。また、ホルモンに影響を与える可能性があるため、ホルモン療法を受けている方や、経口避妊薬(ピル)を使用している方も、医師への相談が必要です。「妊娠中・授乳中の女性」や「小児」に対する安全性は確立されていません。これらの対象者は、ノコギリヤシの摂取を避けるべきです。さらに、ノコギリヤシサプリメントは、製品によって品質や含有量にばらつきがある可能性があります。信頼できるメーカーの製品を選び、表示されている原材料や含有量、注意事項などをよく確認することが大切です。過剰摂取も避けるべきです。製品に記載されている1日の摂取目安量を守りましょう。もし、ノコギリヤシを摂取していて何らかの体調不良を感じた場合は、すぐに摂取を中止し、医師または薬剤師に相談するようにしてください。